と題したマンキューの10/9NYTコラムが物議を醸している(原題は「I Can Afford Higher Taxes. But They’ll Make Me Work Less.」)。
そのコラムで彼は、自分が1000ドルの対価で論説記事の執筆を依頼される場面を想定し、その場合の勘定を以下のように3つのケースについて計算している。
即ち、オバマ政権による増税を前提にした場合、子供に残せる額は10000ドルから1000ドルにまで減少するので、家族にとっての限界税率は90%ということになる。それに対し、ブッシュ時代の税率のままならば、限界税率は80%である。従って、この仕事を引き受けるインセンティブは、ブッシュ税制の方がオバマ税制の場合の倍あることになる、というのがマンキューのこのコラムの主旨である。
*1:マンキューは計算の詳細を示していないが、523ドルに連邦所得税のブッシュ減税廃止分46ドル(39.6%−現行の税率35%)と控除廃止12ドル(1.2%)とメディケア税の増税分9ドル(3.8%−現行の税率2.9%)を上乗せすると、590ドルになる。従って、利回りが4%で変化無いとすると、30年後の額は1700×590÷523=1918ドルになる。相続税が復活しなければ、これがそのまま子供の取り分となる。
なお、マンキューはコラムの冒頭で、自分の所得が民主党案でブッシュ減税廃止対象となる25万ドル以上であることを明らかにしている:
「As a professor at Harvard and the author of some popular textbooks, I am comfortably in the income range that would be hit by this tax increase.(拙訳:だって僕、ハーバードの教授だし、売れている教科書も何冊か書いているし、当然のごとくこの増税の対象範囲内にいるわけよ。)」