金融改革法案で死守すべき6項目

先日クルーグマンがまとめた金融改革に関する6項目を紹介したが、Rortybombのマイク・コンツァル(Mike Konczal)も金融改革に関する6項目をまとめている。ただし、クルーグマンが世間に流布している内容を6つに分類したのに対し、こちらはコンツァル自身が金融改革に必須と考える6項目を列挙した形になっている。エントリではその内容を解説したpdfファイルにリンクしているほか、各項目の議会法案での状況を併記した要約表を提示している。以下にその表を訳してみる。

項目 内容 下院の状況 上院の状況
「大きすぎて潰せない」問題 負債総額がGDPの3%を超えないようにする。 該当文言なし。 (ブラウン、カウフマン、ケーシー、そしてホワイトハウスにより)提案されてる2010年安全銀行法修正案に含まれている。先行きは不透明。
レバレッジの厳格な規制 銀行のリスクに厳格な上限を設け、国際的な資本モデルを補完する。 法案の上限は15:1。 (ブラウン、カウフマン、ケーシー、そしてホワイトハウスにより)提案されてる2010年安全銀行法の上限は16.67:1。先行きは不透明。
銀行が後始末費用を自己負担する 銀行が整理・清算に関連する費用を予め払い込むことを義務付ける。 1500億ドルを上限とする事前積み立て。 500億ドルを上限とする事前積み立て。
デリバティブ 危険な店頭デリバティブ市場を清算機関ならびに取引所を通すことによって白日の下に曝し、清算されないものには資本規制をかけ、顧客側の免責は限定的なものとする。 全般に下院案は弱いと見られている。 農業委員会で可決されたリンカーン上院議員の法案は、デリバティブの強力な改革を推進する。それを弱める動きには断固抵抗すべき。
簿外取引 簿外取引の投資家への開示方法は、個人の訴訟の権利と共に、市場機能の健全化に不可欠。 下院案はこの件にあまり乃至ほとんど触れていない。 メネンデス上院議員が簿外取引に関する主な問題に対処する修正案を発表した。先行きは不透明。
ボルカー・ルール 負債の上限を設けると同時に、FRB公定歩合による窓口貸し出しが危険なギャンブルに利用されることを防ぐ。 下院案にはまだ取り入れられていない。 マークレー、レビン両上院議員ボルカー・ルール、および、利害の衝突の問題への対処を取り入れた修正案を提案。先行きは不透明。