10/16エントリで、クルーグマンのWorld Business Forumなるフォーラムでの講演内容を紹介したが、WSJブログはこのWorld Business Forumを専用ページを設けてカバーしていた*1。
そこでは、クリントン元大統領の講演も報告されている。彼は、ブッシュ政権はリーマンを救うべきだった、と述べ、大統領選挙は事実上この日に決まってしまった、と付け加えたとのこと。
また、それ以外の各種テーマについて、以下のようなことを述べている。
- 格差問題
- 不安定性
- テロに対する各国の脆弱性
- 温暖化
- 21世紀は石油を巡る紛争の代わりに水を巡る紛争の世紀になるだろう。
- 温暖化対策ビジネスは幻想ではない。オーストラリアに聞いてごらん。彼らは温暖化の影響を真っ先に受ける。
- 米国内の問題
- 温暖化の雇用への影響
- 温暖化対策ビジネスが今後10年の雇用成長の柱になるのではないか。第二次世界大戦による雇用創出以来の規模になるだろう。
- 医療保険を巡る政治的対立
- 非現実的な代替提案を見ると、笑っていいのか泣いていいのか分からなくなる。
- 民間の役割
- 政府にすべてお任せというのは間違い。
- メッセージ
- 皆が勝者となる世界を見つけなければ、皆が敗者となる。
なお、このフォーラムではサックスも講演し、グリーンスパンの金融政策やクリントン、ブッシュ両政権の経済政策に関し毒舌を繰り広げたらしい。
さらに、ルーカスも講演したようだ(ただしロバートではなくジョージの方)。発表の媒体を選り好みすることはない、という発言が注目を集めたとの由。
*1:ちなみに、ここに掲載されているクルーグマン記事は10/16エントリで紹介したReal Time Economicsのものとほぼ同じだが、最後のFTのジリアン・テットとの質疑応答でクルーグマンが飛ばした2つの冗談がReal Time Economicsの方では省略されている。その冗談とは、
1.近年の米中間の貿易は実はそれほど不公平なものではなかったかもしれない。中国は米国に毒性の玩具や汚染された海産物を輸出し、我々は彼らに毒入り証券を送った。
2.牛挽肉と資産担保証券は似ている――バーガーの中身に何が入っているか誰も知らない。
という、やや不謹慎なもの。