Buiter「グーグルはプライバシーと知的所有権にとってのタリバンだ」

Willem Buiterがブログでグーグルに噛み付いている。冒頭は以下の文章で始まっている。

Google is to privacy and respect for intellectual property rights what the Taliban are to women’s rights and civil liberties: a daunting threat that must be fought relentlessly by all those who value privacy and the right to exercise, within the limits of the law, control over the uses made by others of their intellectual property. The internet search engine company should be regulated rigorously, defanged and if necessary, broken up or put out of business. It would not be missed.


In a nutshell, Google promotes copyright theft and voyeurism and lays the foundations for corporate or even official Big Brotherism.

(拙訳)グーグルは、プライバシーと知的所有権の尊重にとって、女性の権利と市民の自由にとってのタリバンと同様の存在だ。すなわち、プライバシー、および、知的所有物が他者に使われるのを法律の範囲内で管理することを重んじる人々が皆、容赦なく闘わねばならない恐ろしい脅威だ。このインターネット検索エンジンの会社は、厳しく規制され、牙を抜かれ、必要とあらば解体するか、営業停止せねばならない。この会社が惜しまれることはないだろう。


簡単に言うと、グーグルは著作権の盗用、覗き見を推進し、企業による、あるいは政府によるビッグブラザーの基盤を築こうとしている。


かなり過激な攻撃だが、ここに書かれているように、Buiterが問題視するのは以下の2点である。

  1. 著作権侵害(Buiterに言わせれば窃盗(theft))
  2. ストリートビューおよびクッキーによるプライバシー侵害

ITの問題ある独占企業はかつてはIBMマイクロソフトだったが、今はグーグルだ、というのがBuiterの主張である。


またBuiterは、英国の情報コミッショナー事務局がストリートビューを合法と認めた件に触れ、馬鹿げた決定だが、既に監視カメラがあちこちに存在する状況では驚くべきことではない、と揶揄している。


ただ、コメント欄ではBuiterに同調する声は少なく、むしろ反対意見が多い。著作権は中世の遺物、クッキーが心配ならばファイヤーフォックスを使えばよい、ストリートビューによる子供への犯罪の増加を心配しているが、そうした犯罪者がストリートビューで獲物を探すと考えるのは非現実的、といった反論が見られる。