文部科学省が“究極の経済対策”実施へ

文部科学省は、現在の金融危機に対する対策の一環として、主要大学の経済学部教授の再教育に乗り出す方針を決めた。米国では経済学部の有名教授が活発に経済政策について議論を交わしているのに対し、日本ではそうした状況が見られないどころか、経済の実態と懸け離れた言説が主要大学の教授から数多く発信されているため、政府として対策に乗り出す。

まず、官庁で統計を作成しているエコノミストを講師に、実質ベースと名目ベースの統計の意味についての再教育を行なう。これは、このところ、実質だけの統計を見て、事実と離れた分析を行なう主要大学の経済学部教授が続出したため、経済の基礎統計の見方を改めて学習してもらう。同時に、海外から経済学者を招いて、デフレ問題についても再教育する。これにより、デフレによる実質為替レートの減価と物価安定下の名目為替レートの減価を混同する、という基本的な誤りの再発防止を狙う。

また、実証経済学と規範経済学の分類についても再教育を行なう予定。経済学部教授の一部には、経済が悪くなったのは政官民の責任だと説教していれば経済学者の責任を果たしたことになると誤解している向きがあるため、そうした認識の誤りを払拭する。

さらに、社会学者や言語学者、および精神科医師の協力を得て、根拠のない思い込みの言説を垂れ流す経済学者の心理分析を行なう。これにより、雑誌に発表した言説の間違いが明らかになっても、訂正せずに平然と書籍化して原稿料を受け取り続ける一部の経済学者の心理の解明を目指す。合わせて、政策や主張を批判するのは個人攻撃だが、相手を爬虫類や漫画の悪役に喩えるのは個人攻撃には当たらない、というネット界での経済学論争独特の悪弊の発生原因についても究明を図る。

文部科学省の担当者は、こうした一連の対策により、日本の経済学界の機能を正常化することが「ある意味で究極の経済対策になる」、と今回の政策の目的を説明している。