おやじギャグ炸裂のタイトルにしてしまったが、昨日のエントリで触れたCBSの60ミニッツのCDSの説明が個人的には私のような素人に非常に分かりやすかったので、スクリプトのその部分を紹介しておく(訳がTBSのではなく拙訳なのはご勘弁)。
What most people outside of Wall Street and Washington don't know is that a lot of people who bought these risky mortgage securities also went out and bought even more arcane investments that Wall Street was peddling called "credit default swaps." And they have turned out to be a much bigger problem.
ウォール街とワシントンの住人以外のほとんどが知らないのは、これらのリスクの高いモーゲージ証券を買った人々の多くが、ウォール街が売りつけるさらに難解な投資商品、「クレジット・デフォルト・スワップ」を買ったということだ。
"A credit default swap is a contract between two people, one of whom is giving insurance to the other that he will be paid in the event that a financial institution, or a financial instrument, fails," he explains.
"It is an insurance contract, but they've been very careful not to call it that because if it were insurance, it would be regulated. So they use a magic substitute word called a 'swap,' which by virtue of federal law is deregulated," Greenberger adds.
「クレジット・デフォルト・スワップとは、二人の間の契約で、金融機関もしくは金融商品が駄目になった時に補償を受け取る保険を、片方がもう片方に提供するものです。」と彼(=マイケル・グリーンバーガー*1)は説明する。
「それは保険契約なのですが、彼らは注意深くそう呼ばないようにしています。もし保険ならば、規制されてしまいますからね。それで、代わりとなる魔法の言葉、『スワップ』を使ったのです。そうすれば連邦法のお蔭で規制されなくて済みますから。」とグリーンバーガーは付け加えた。
But he says there was a big problem. "The problem was that if it were insurance, or called what it really is, the person who sold the policy would have to have capital reserves to be able to pay in the case the insurance was called upon or triggered. But because it was a swap, and not insurance, there was no requirement that adequate capital reserves be put to the side."
しかし、そこには大きな問題があった、と彼は言う。「問題だったのは、それが保険だったならば――つまりそれが本来の名前で呼ばれていたならば――証書を売った人間は、保険が要求ないし発動された場合に備えて準備金を用意しておく必要があったでしょう。しかし、それはスワップであり、保険ではなかったので、適切な準備金を積んでおく必要はありませんでした。」
"Now, who was selling these credit default swaps?" Kroft asks.
"Bear Sterns was selling them, Lehman Brothers was selling them, AIG was selling them. You know, the names we hear that are in trouble, Citigroup was selling them," Greenberger says.
"These investment banks were not only selling the securities that turned out to be terrible investments, they were selling insurance on them?" Kroft asks.
"Well, it made it easier to sell the terrible investments if you could convince the buyer that not only were they gonna get the investment, but insurance," Greenberger explains.
「それで、誰がこのクレジット・デフォルト・スワップを売っていたんです?」とクロフト記者は尋ねた。
「ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、AIGです。要は、問題になって我々が名前を耳にしたところです。シティグループも売っていました。」
「それらの投資銀行は、ひどい投資商品だったことが明らかになった証券だけでなく、その保険も売っていたんですか?」とクロフト記者。
「まあ、ひどい投資商品を売る時、投資商品単体でなく保険も付いていると買い手に納得させた方が売りやすいですからね。」とグリーンバーガーは説明した。
Asked what role the credit default swaps play in this financial disaster, Frank Partnoy tells Kroft, "They were the centerpiece, really. That's why the banks lost all the money. They lost all the money based on those side bets, based on the mortgages."
クレジット・デフォルト・スワップが今回の金融危機でどのような役割を果たしたか、と訊かれ、フランク・パートノイはクロフト記者にこう答えた。「実際のところ、中心的な役割を担いました。銀行があれだけの損失を蒙ったのはそのせいです。モーゲージ商品を対象としたそれらの副次的な賭けに注ぎ込んだカネを、彼らはみんなすってしましました。」
*1:この記事によると、クリントン政権時代、“CFTCの取引・市場部門の責任者を務めており、規制強化を推進していた。”との由。同記事には続けてこう書かれている。“同氏は、グリーンスパン氏とルービン氏がいかなる規制策にも激しく抵抗したと当時を振り返る。「もし我々の主張が通っていたら、サブプライムローンの行き過ぎた証券化は起こらず、現状のような狂乱状態にはならなかっただろう。監査義務、自己資本規制、透明性基準が定められ、取引は公明正大に行われるようになっていたはずだ。ベアー、リーマン、エンロン、AIGは今も健全に繁栄しながら、規制に対する不満をしきりに漏らしていたことだろう」。現在は米メリーランド大学教授(法学)のグリーンバーガー氏はこう続ける。「好況時には、現状を是正しないともっと大規模で深刻な第2のLTCM危機が起こると主張しても理解を得られない」。”