チキンゲームのナッシュ均衡
(最初のエントリの利得表を再掲)
少年2 | |||
---|---|---|---|
逃げない | 逃げる | ||
少年1 | 逃げない | 死(-100) | 英雄(10) |
逃げる | チキン(-10) | チキン(-5) |
<純粋戦略でのナッシュ均衡>
このゲームのナッシュ均衡は純粋戦略では(逃げる、逃げない)(逃げない、逃げる)の2通り。
∵)
- 相手が逃げるのを所与とすれば、自分は逃げないのが最適反応戦略
- 相手が逃げないのを所与とすれば、自分は逃げるのが最適反応戦略
<混合戦略でのナッシュ均衡>
少年2が逃げる確率をp2とすれば、少年1が確率p1で逃げ、確率1-p1で逃げないという混合戦略を取れば、その利得は
-5p1p2 -100(1-p1)(1-p2) -10p1(1-p2) +10(1-p1)p2
= -105p1p2 +90p1 +110p2 -100
= p1(-105p2 +90) +110p2 -100
となる。
従って、
p2 > 6/7 ならばp1 =0(逃げない)
p2 < 6/7 ならばp1 =1(逃げる)
が少年1の最適反応戦略となる。(p2 =6/7 の場合、p1は不定)
少年2についても同様。
従って、(p1 =0、p2 =1)(p1 =1、p2 =0)のほかに、(p1 =6/7、p2 =6/7)、すなわち、両者が共に確率6/7で逃げる、という混合戦略の組み合わせもナッシュ均衡となる(下図参照)。
(そのときの両者の利得はそれぞれ -40/7)