ゲーム理論入門/(5)チキンゲームのナッシュ均衡

キンゲームのナッシュ均衡

最初のエントリの利得表を再掲)

    少年2  
    逃げない 逃げる
少年1 逃げない 死(-100) 英雄(10)
  逃げる チキン(-10) チキン(-5)
<純粋戦略でのナッシュ均衡

このゲームのナッシュ均衡は純粋戦略では(逃げる、逃げない)(逃げない、逃げる)の2通り。

∵)

  • 相手が逃げるのを所与とすれば、自分は逃げないのが最適反応戦略
  • 相手が逃げないのを所与とすれば、自分は逃げるのが最適反応戦略

定義により、片方が逃げて片方が逃げないのがナッシュ均衡となる

<混合戦略でのナッシュ均衡

少年2が逃げる確率をp2とすれば、少年1が確率p1で逃げ、確率1-p1で逃げないという混合戦略を取れば、その利得は
 -5p1p2 -100(1-p1)(1-p2) -10p1(1-p2) +10(1-p1)p2
= -105p1p2 +90p1 +110p2 -100
= p1(-105p2 +90) +110p2 -100
となる。

従って、
p2 > 6/7 ならばp1 =0(逃げない)
p2 < 6/7 ならばp1 =1(逃げる)
が少年1の最適反応戦略となる。(p2 =6/7 の場合、p1不定

少年2についても同様。

従って、(p1 =0、p2 =1)(p1 =1、p2 =0)のほかに、(p1 =6/7、p2 =6/7)、すなわち、両者が共に確率6/7で逃げる、という混合戦略の組み合わせもナッシュ均衡となる(下図参照)。
(そのときの両者の利得はそれぞれ -40/7)