<中心的な流れ(7)>
○マルチファクターモデル
市場インデックス以外に個別銘柄のリターンを共通して説明する要因を導入したモデル
(例:業種、PER、PBR)。
ri = αi + βi1 f1 + βi2 f2 + …+ βim fm +εi
APTモデルないしAPTの前提モデルと似ているが、APTがあくまでも均衡理論の導出のためのモデルであるのに対し、こちらは収益予測や収益分解、リスク分解という実務が主目的。
現在マルチファクターモデルでは米国BARRA社(ローゼンバーグ[Barr Rosenberg]が1973年に設立)のモデルがde facto standard。
○CAPM“反革命”
- ロールの批判(1977)
- 真の市場ポートフォリオ特定の不可能性
Richard Roll “A critique of the asset pricing theory’s test;
Part 1: On past and potential testability of the theory”,1977
- EMHでは有り得ないアノマリーの発見
- 1月効果、小型株効果、低P/E効果など
1980年代後半〜 再びアクティブ運用が盛んに
(例:バッテリーマーチ社…1970年代に急成長)
現在はアクティブ・パッシブ混在(大規模年金の株式パッシブ比率:米国76%、日本15%;平均的な基金でパッシブ比率は日米共に30%強)
- French-Famaの分析(1992)
- ベータ値とリターンの間の線形関係を否定
サイズとB/Pこそ重要と主張
Eugene F. Fama and Kenneth R. French
"The Cross-Section of Expected Stock Returns”,1992
ベータの死!?
→反論:Fisher Black “Beta and Return”,1993など