IMF専務理事がもはや欧州の指定席とはならない3つの理由

ここで紹介したブログエントリでEUギリシャ危機対応を痛烈に批判したジェフリー・フランケルが、Project Syndicateで表題の件について書いているEconomist's View経由)。それによると、その3つの理由とは以下の通り。

  1. 過去10年間、多くの新興大国は、自国の経済運営について欧州よりもうまくやってきた。
    • 直近の景気拡大期に欧州は財政赤字を積み上げたが、それらの国ではそうではない。
    • 確かに1980年代のIMFはフランス出身の有能な専務理事によって運営された反面、当時の新興国は莫大な財政赤字ハイパーインフレに苦しんでいたが、それは昔の話。
  2. 欧州出身の専務理事がここ3代続けて任期半ばで辞任している。
    • ストロスカーン以外の2人*1はスキャンダル絡みではないものの、逆に言えばそのことは、彼らがその職を重大視していなかったことを意味する。
  3. 今回の最良の候補者の多くは新興国出身者である。

その上でフランケルは、新興国出身の候補として取り沙汰される9人の名前を挙げているが、その中で、かつての教え子だというシンガポールのシャンムガラトナム財務相(今月の内閣改造で副首相も兼任)が「my favorite」だと書いている。

*1:ドイツの大統領選に出馬するために辞任したホルスト・ケーラーと、個人的理由で辞任したスペイン出身のロドリゴ・ラト