2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

職業経験が“深く狭い”よりも“広く浅い”方が起業に有利

という主旨の論文をUDADISIが紹介している。論文のタイトルは「Where do entrepreneurial skills come from?」で、著者はMichael Stuetzera、Martin Obschonkac、Per Davidssonb、Eva Schmitt-Rodermundcというドイツの4人の研究者。 以下はその要旨。 Apply…

住宅ローン破綻のうち楽観的な予想に起因していたのはどれくらいだったのか?

について調べたFRB論文をEconomic Logicが紹介している。論文のタイトルは「Equity Extraction and Mortgage Default」で、著者はSteven Laufer。 以下はその要旨。 Using a property-level data set of houses in Los Angeles County, I estimate that 30% …

信じる者と信じない者が救われる

宗教と幸福度の関係を調べた論文をUDADISIが紹介している。論文のタイトルは「Religiosity as a Determinant of Happiness」で、著者はErich GundlachとMatthias Opfingerというドイツの2人の経済学者。 以下はWP版の要旨。 We find a U‐shaped relation bet…

パトリシア・ハーストになった経済学者?

Econospeakでピーター・ドーマンが、日本銀行と日本銀行金融研究所が2ヶ月前に開催した金融危機と国際金融システムに関するコンファレンスにおけるオブズフェルドの基調講演を紹介している。 以下は同講演の要旨。 Banking systems have rapidly grown to a …

島国の経済制度の方が優れている?

というJournal of Comparative Economics掲載論文をUDADISIが紹介している。論文のタイトルは「Do island states have better institutions?」で、著者はスウェーデンはゴッテンブルグ大学のHeather Congdon Fors。 以下はその要旨。 Since the end of World…

異常気象で紛争は激化する

UDADISIが今月初めにリンクした4本の論文のうち3本をこれまで紹介してきたので(ここ、ここ、ここ)、残りの1本も紹介しておく。以下はMargherita Calderone(ドイツ経済研究所[DIW])、Jean Francois Maystadt(国際食糧政策研究所[IFPRI])、Liangzhi You…

排卵期が近い女性は何でも欲しがる

という研究にUDADISIがリンクしている。ただしリンク先のSSRNは既にリンク切れとなっていたのでぐぐってみると、こちらでJournal of Consumer Psychology掲載論文「Women seek more variety in rewards when closer to ovulation」が見つかり、こちらでWPも…

教育は他人も長生きさせる

というEconomica論文(WP)にUDADISIがリンクしている。論文のタイトルは「Education Externalities on Longevity」で、著者はモンペリエ第3大学のFrancesco Ricciとキプロス大学のMarios Zachariadis。 以下はWPの冒頭部。 The main idea of the paper is t…

クロスセクション相関は歴史を表わしているに過ぎない

という論文をNEP-HISブログが紹介している(H/T EconAcademics.org)。論文のタイトルは「Cross Sections Are History」で、著者は(イースタリンの逆説*1で有名な)南カリフォルニア大学のRichard A. Easterlin。 以下はその要旨。 Although cross section …

宗教と国家福祉

のトレードオフ関係を分析したNBER論文にUDADISIがリンクしている。論文のタイトルは「Religiosity and State Welfare」で、著者はプロビデンス・カレッジのAngela K. Dillsとデンバーメトロポリタン州立大学のRey Hernández-Julián。 以下はその要旨。 The …

経済学は科学か宗教か?

と物理学者でありコラムニストであるマーク・ブキャナンがブルームバーグコラムで問い掛けている(H/T Economist's View、Mostly Economics)。 以下はその冒頭部。 Is economics a science or a religion? Its practitioners like to think of it as akin t…

クルーグマンと日本共産党の共鳴?

最近、クルーグマンが労働分配率の低下について時折り書いており、それをMBK48さんが訳されている(ここ、ここ、ここ、ここ、ここ)。 そのうちの6/30エントリはクルーグマンの6/21ブログエントリを訳されたもので、さらにMBK48さんによる分かり易い経済学の…

不況で窃盗は増えるが強盗は減る

という研究結果をイタリア銀行の論文が報告している(H/T UDADISI、WCIブログ)。論文のタイトルは「Down and out in Italian towns: measuring the impact of economic downturns on crime」で、著者はGuido De BlasioとCarlo Menon。 以下はその要旨。 The…

中国のGDPの非加法性

北京大学HSBC経営大学院のChristopher Baldingが、中国の経済データのまやかしを自ブログで厳しく批判している(Marginal Revolution経由)。データが信頼できないことを明白に示す例としてBaldingは、以下の2つを挙げている。 中国は2012年のGDP成長率が7.8…

中銀の設計に当たって考慮すべき12の基本事項

をコロンビア大学のリカルド・ライス(Ricardo Reis)が「Central Bank Design」と題した論文で示している(H/T Mostly Economics)。同論文は、(バーナンキが講演で金融緩和の必要性を強調して市場を宥めた)7月10日のNBER主催のFRB100周年セミナーで提示…

経験豊富なルービンシュタインが「迷える」経済学徒に送る十のアドバイス・続き

昨日紹介したアリエル・ルービンシュタインの問答集「10 Q&A: Experienced Advice for “Lost” Graduate Students in Economics」から、残り5問の拙訳*1。 質問1 今テンパっています。学位論文のアイディアがまったく思い浮かびません。どうしたら良いでし…

経験豊富なルービンシュタインが「迷える」経済学徒に送る十のアドバイス

アリエル・ルービンシュタインが2011年10月28日にNYUのワインとチーズの会で披露し、その後加筆されてジャーナル・オブ・エコノミック・エデュケーションに掲載された問答集「10 Q&A: Experienced Advice for “Lost” Graduate Students in Economics」をUDAD…

ボーモル「ボーモル病は心配に及ばぬ」

UDADISIがウィリアム・ボーモルの最近の論文を紹介している。論文のタイトルは「A Comparative Analysis of Education Costs and Outcomes: The United States vs. Other OECD Countries」で、著者はEdward N. Wolff、William J. Baumol、Anne Noyes Saini。…

喫煙の経済的帰結

というアトランタ連銀のWPをMostly Economicsが紹介している。論文の原題は「Even One Is Too Much: The Economic Consequences of Being a Smoker」で、著者はJulie L. HotchkissとM. Melinda Pitts。 以下はその要旨。 It is well known that smoking lead…

センの経済的帰結

昨日取り上げたバグワティ=セン論争に関するミント紙記事に続き、センの主張に疑問を投げ掛けるビジネス・スタンダード紙記事をMostly Economicsが紹介している。 以下はその結び。 For this admirer of Professor Sen's exceptional academic work two iro…

センとバグワティの物語

インド人民党のナレンドラ・モディと国民会議派のラーフル・ガンディーの間の政策論争を、バグワティ対センの代理戦争に見立てたミント紙記事をMostly Economicsが紹介している。 Bhagwati versus Sen may not have the same resonance as Modi versus Gandh…

まず芝生をとめよ

Mostly Economicsがメイン大学のSarah Schindlerの「Banning the lawns」という論文を紹介している。以下はその要旨。 Recognizing their role in sustainability efforts, many local governments are enacting climate change plans, mandatory green buil…

金融危機と戦争

Mostly Economicsが、第一次世界大戦につながった1907年の金融危機を今次の金融危機になぞらえたハロルド・ジェームズ・プリンストン大学教授のProject Syndicate論説*1を紹介している。 以下はその結論部。 In 1907, in the wake of an epochal financial c…

多国籍企業の戦略と開発途上国に関する歴史的視点

というGeoffrey Jonesハーバード大学教授が執筆したWPをMostly Economicsが紹介している。原題は「Multinational Strategies and Developing Countries in Historical Perspective」。 以下はその要旨。 This working paper offers a historical analysis of…

トルコ出身の経済学者が見たトルコ反政府活動

トルコで続く反政府抗議活動について、Mostly Economicsがトルコ出身の3人の経済学者の意見にリンクしている。 一人はダニ・ロドリックで、「トルコでの抗議活動は力強いメッセージを送っているが、民主主義はもたらさないだろう(Turkey’s Protests Send a …

なぜノルウェー人は金利が下がると貯蓄を増やすのか?

…それは純ベースで借金をしているからだ、というノルウェー中銀のスタッフメモをMostly Economicsが紹介している。レポートの原題は「Why do Norwegians increase their savings when the interest rate is cut?」で、著者はGro M. Liane。 以下はその要旨。…

コント:ポール君とグレッグ君(2013年第5弾)

okemosさんのツイートが個人的に第一報だったこの件、マンキューが反応しなかったらスルーしようかとも思ったが、反応したので一応。 ポール君 センゲージラーニング倒産したってよ。クルーグマン=ウェルスの教科書を出しているWorth Publishers社の人が、…

金融教育にはソープオペラを利用すべし

金融教育には効果が無いという世銀の実験結果を少し前に紹介したが、Mostly Economicsが取り上げた別の世銀の実験では金融教育に効果が見られたという。前者はメキシコ、後者は南アで実施されたものだが、明暗を分けたのは実施国の違いではなく手法の違いに…

偉大なる領導者を超えて

Mostly EconomicsがハーバードケネディスクールのMatt Andrewsの「Going beyond heroic-leaders in development」という論文を紹介している。 以下はその要旨。 Leadership is an under-studied topic in the international development literature. When th…

インドは次の日本になれるのか?

…列に並ぶことにかけて、とインドのミント紙のサイトでTjaco Walvisというコラムニスト*1が問うている(H/T Mostly Economics)。 以下はそのコラムの冒頭部。 Will India become the next Japan, when it comes to civilized queuing? Anyone who has ever …